2005年2月23日(水)
Sponichi Annex スポーツニッポン新聞社
愛される天然キャラ…一方で悩みも
「最近やっと町で“みち子さん”って声を掛けられるようになったんです。今までは“みよちゃん”て呼ばれることが多かったんですけどね」
とうれしそうに話す。飾らない笑顔に、こちらの顔まで自然とほころぶ。
73年にドラマ「時間ですよ」の“風呂屋のみよちゃん”役でデビューし、瞬く間にトップアイドルになった。結婚して引退。
離婚して復帰を果たし、94年に「釣りバカ」シリーズの主人公・ハマちゃん(西田敏行)の妻・みち子さん役を引き継いだ。
それも今年で10年、出演9作目となった。
レギュラー陣との息もぴったりで、すっかり役に定着した印象。「6作を超えるまではっていう気持ちがどこかにあったので、
やっと本当にみち子さんになれた気がしてうれしいんです。1つの役を長く続けることはなかなかないし、すごく幸せ」
と深めた自信がスクリーンにも映し出されている。
名実ともにファミリーの一員になれた理由がもう1つ。浅田の撮影はスタジオがほとんどだが、今回は00年「…11」での沖縄ロケ以来、2度目となる秋田ロケに参加した。「“釣りバカ”の現場は本当にみんな仲が良くて家族という感じ。毎年撮影の時期がくると、お盆に実家に帰るみたいな気持ちになるんです。今回一緒にロケに行って、
もう一歩みんなの中に入れた気がしますね」 趣味の釣りに没頭する万年ヒラ社員の夫を、笑顔で支えるしっかり者のみち子さん。“素敵な美代子さん”
世間のお父さんたちにとっては理想といっていい奥さんを演じているが、
バラエティー番組などで見せる素の顔は“天然ボケ”。
トンチンカンな回答やトークで引っ張りだこだが、意外にもまだ慣れていないという。
「バラエティーの人たちの瞬発力ってすごいなって思うんです。難しいですよ」
バラエティー色が強まる一方で困ったこともある。「知的な役が全然こなくなっちゃった」と苦笑いだ。
「やっぱり女優としては、いろんな役を演じてみたいじゃないですか。今後演じてみたいのは医者と弁護士と…」
と言った後「でもせりふが難しくて言えないかも」と笑う気取らない性格が、変わらず愛される理由だろう。
「これからも大事にしていきたい場所」と話すみち子さん役。
気負いがなく自然体で、親しみやすいキャラクターは、国民的な映画の奥さん役にはぴったりだとうなずけた。
再婚は難しい 私生活では77年に歌手の吉田拓郎(58)と結婚し芸能界を引退したが、7年後に離婚し復帰。
現在は愛犬2匹とのシングルライフを送っている。「1人の生活の基盤ができちゃっていて(再婚して)誰かと暮らすのは難しい。
みち子さんは出来過ぎた奥さん。私にはない部分がいっぱいあるので、私生活でできなかった分を役で頑張ろうかなと思ってるんです」